【自然】


        

    自然の恵み!




 自然(しぜん)とは、


 人間の意志・作為が介在しないあるがままの状態、現象、
 およびそのことによる生成物。
 洞窟、湖、滝、山、川、海、泉、台風、地震、津波など。

 
 

 人間も加えた天地・宇宙の万物の事。
 なお、この観点から人間も地球上の1生物であるにも関わらず、
 人間を「万物の霊長」とみなす人間中心主義の反映であるという批判もある。

 ヨーロッパ諸語では、
 自然は本性(ほんせい)と同じ単語を用い
 「その存在に固有の性質」をあらわす。
 外国語文献の翻訳を読む際には
 「本性」の含みがないか常に留意すべきである。
 
 例えば「自然と人為」などという対比にぶつかった時、
 そこでの人為には単に「自然物に対して手が加えられた」という意味だけでなく、
 「人為によって本性が捻じ曲げられた」というニュアンスが
 含まれているかもしれない。
 
 西洋では自然と人間を完全に分離した考えを持つが、
 日本では人間は自然の一部と考える。
 また、日本には江戸時代まで「自然」という言葉はなく、
 開国後に外国語を訳する際にできた言葉だと思われる。


 



   私たちが選ぶ自然エネルギー   


2001年、ヨーロッパ連合全体では、自然エネルギーの割合が6%でした。
欧州議会と欧州連合理事会は、
それを2010年には12%と倍増させることを目標とした
再生可能エネルギー指令を採択しました。
 
日本の再生可能エネルギーの導入実績は
1999年で0.2%(既存のダムによる水力発電を入れても3.8%)、
2010年の導入目標もわずか1.4%に過ぎません。

欧州の中でも自然エネルギーの普及の進んでいる国々では、
次のような政策をとっています。

政府が拘束力と期限のある、高い自然エネルギー導入目標を設定する。
地方自治体が地域の特性に合った自然エネルギーを
利用する目標を立てる(国はそれを妨げない)。
自然エネルギーの取り引き価格を
石油や原子力発電などと競えるように設定する。


 これに加えて、

省エネルギーの目標を立て、消費するエネルギーを小さくする。
石油や原子力発電に使われていた補助金を自然エネルギーに向ける、
といった措置も必要です。

長い海岸線、流れの早い河川、日照、山地、森林、火山帯。

これらの日本の自然の特徴は、風力発電や太陽光・熱利用、
小規模な水力発電、バイオマス、地熱発電など
多様なそして尽きることのない自然エネルギーの源があることを示しています。
 
そして、世界屈指の高い技術をもっています。
今、私たちはまだ、これらの可能性のほんのわずかしか利用していないのです。

高い目標をたてることをまず基本とし、
それを実現するための支援を政府や自治体が実施することが
本来日本にある自然エネルギーの可能性を引きだすために不可欠です。

 自然の恵みも技術もある日本。
 
各地で、地域の自然の恵みに併せた産業が発達してきたのと同様に、
地域の自然の与えてくれるエネルギーを享受する産業を
生み出し育てていくことができるはずです。



 G8沖縄サミットで首脳が宣言

2000年に開かれたG8沖縄サミットでは、
風力、太陽光などの再生可能なエネルギー資源の利用により、
世界の、特に途上国の人々が電力を享受できるよう検討を進めるため、
「G8再生可能エネルギー・タスクフォース」が設立されました。
 
世界から第一線の専門的家たちが知見を持ちより検討した、
その最終報告書では次のような重要な勧告をしています。

再生可能エネルギーの大規模利用とその拡大に対する唯一の障害は
財政的、政治的なものであって、技術的なものではない。
 
市場を拡大することで技術費用を下げるという計画をもつことが推奨される。
ライフサイクル全体でみれば、再生可能エネルギーのコストが、
すでに従来型の石油石炭などのエネルギー源との
コスト競争に負けない場合が多い。
 
「再生可能エネルギーが地域、または地球環境の保護を
合理的なコストで達成することができる場合」にも、
再生可能エネルギープロジェクトの開発とそれへの投資を行うべきである。
 
次の30 年間で再生可能エネルギーの促進に成功すれば、
「現状維持」で地球規模のエネルギー供給を行った場合よりも
費用は低くおさえられることが証明される。」
 

 ヨハネスブルグサミットから動き始めた80余の国々


2002年のヨハネスブルグ地球環境サミットの後、
世界80カ国以上が参加する
「再生可能エネルギーに関するヨハネスブルグ連合」が結成されました。
 
ヨハネスブルグ連合の目的は、「時期を明記した意欲的な目標」に向け、
「再生可能エネルギーの利用の割合を世界全体で大幅に増やす」ことです。
 
中心的な課題は、目標値をボトムアップ方式で設定していくことと、
再生可能エネルギーの技術・市場・投資戦略を共同で開発していくことです。
 
新しい市場促進策や、再生可能エネルギー技術に
官民の投資が向くようにする方策も検討しています。


タイでは30万世帯に太陽光発電パネルの設置を支援する
“ソーラー・ホーム・プロジェクト”を
2003年10月にスタートさせてます。
 
経済力のある先進工業国でまず普及が進むことによって、価格が下がり、
それが、今十分な電力を享受できていない途上国での普及を可能にします。
 
途上国の、今送電線のない農村部でも電力を享受できる可能性を開くことも
自然エネルギーの大切な長所です。


 気候変動:どこまで進んだら危険なのか?

国連の気候変動枠組み条約(1992)は
「危険な気候変動」を回避するという目標を掲げている。
 
私たちがすでに大気中に出してしまった温室効果ガスによって、
産業革命以降1.2℃~1.3℃の世界平均気温の上昇は免れない。
 
気候変動に対する政策は、
世界の平均気温の上昇を2℃未満に抑えることを目的としていなければならない。
おそらくそれでも気候変動の被害を受ける人々は
世界中で多数発生することが予想されるが、
これが達成可能なぎりぎりの数値だろう。


   2℃の平均気温上昇


 数千万人が食糧不足に陥り、数億人がマラリアの危険に晒され、
 数百万人が洪水の、そして数十億人が水不足に陥る恐れがある。
 最も大きな被害を受けるのは最も貧困で苦しむ途上国だ。
 特に、サハラ砂漠以南のアフリカ、アジア南部、
 東南アジアの一部、中南米などである。
 大規模な氷の融解が起こり、
 今後数世紀にわたって海面が数メートル上昇する危険がある。
 特にグリーンランドの氷が融けた場合、海面は7メートル上昇し、
 南極大陸西部の氷が融けると5~7メートルの上昇が想定される。
 グリーンランドの氷はすでに急速に融解し始めている。
 南極大陸西部でも氷河の融解が始まったことが確認されており、
 大規模な氷床の崩壊の前兆である可能性もある。
 大規模な氷の融解による海水位の上昇は、
 世界のいたる所で多くの人々の生活を脅かす。
 特に、バングラデシュ、中国南部など、
 途上国の海抜が低い地域が最も危険に晒される地域だ。
 海抜の低いヨーロッパのベルギー、オランダ、ドイツ北西部はいうまでもない。
 

   地球全体の生態系が危機に晒される。


 森林の減少とそれに伴う種の絶滅は、あらゆる人々に経済的損失をもたらす。
 低所得者や途上国ほど大きな損害を受ける。
 平均気温の上昇を2℃以下に抑えることができれば…
 
 サンゴ礁への被害を軽減できる。
 地球全体の生態系への被害を軽減できる。
 今後数世紀にわたる海水位の上昇と上昇の早さを押さえることができる。
 グリーンランドにある氷床の崩壊の危険性を軽減することができる。
 南極大陸西部の氷床が崩壊するリスクを軽減することができる。
 食糧/水不足、疫病の発生リスクは、
 将来の経済成長や豊かさを考慮した場合、
 気温が高くなるほど高くなると考えられる。
 
 では、どうすればいいのか?

 地球の平均気温の上昇を産業革命前のレベルから2℃未満に抑えることは、
 技術的にも経済的にも科学的にもまだ可能だ。
 しかし、時間の制約はかなり大きい。
 私たちは、あと10~20年で、既存の技術で問題を解決することは
 不可能になってしまうだろう。
 温室効果ガスの増加に対する「気候感度」とは
 二酸化炭素換算の値をppmで表した
 産業革命以前の大気中二酸化炭素濃度が2倍になった場合の気候系が示す
 温度の変化のことである。
 
 産業革命以前の二酸化炭素濃度はおよそ270 ppmで、
 現在はおよそ379ppmである。
 550ppmまでと倍増した場合の気候システムの反応に関する中間推定値は
 2.5℃の気温上昇になる。
 
 このことから、最も妥当な数値として「気候感度は2.5℃だ」と言うことができる。
 ところが、最近の研究では気候感度は3.2℃に近いことが明らかになった。
 
 つまり、予想される温室効果ガスの排出増に対する気候の反応は、
 これまで予想されていたよりもはるかに急激に起こりうるということだ。
 したがって、平均気温が2℃上昇することに伴って起こると想定される災害を
 回避するためには、さらに早急に
 徹底した対策をとらなくてはならないということだ。
 
 厳密に言うと、温室効果ガスの大気中濃度を400ppm未満で安定化させること、
 そしてできる限り早急にその数値をさらに下げなくては、
 世界平均気温の上昇を2℃未満に抑えることはできないということだ。
 
 この目標値に達するためには、温室効果ガスの大幅な削減が必要だ。
 それも今すぐに。法的、道義的、そして現実的にも、
 最初の責任は工業国が担うべきだ。
 工業国が2020年までに1990年(京都議定書の基準年)比で
 30%以上の削減を達成し、
 今世紀半ばまでに75%以上の削減を達成することだ。
 
 全世界的には温室効果ガスの総排出量を
 2020年までに1990年のレベルにまでに戻し、
 今世紀半ばまでに50%削減しなくてはならない。
 
 したがって、
 中国、インド、メキシコ、ブラジル、南アフリカ、インドネシア、マレーシアなどの
 現在急速に工業化の進んでいる国々は、
 すぐに排出量の削減を始めなくてはならないということだ。
 
 排出量削減を先送りすることのツケは、
 2020年代に深刻な地球規模の危機として降りかかる。
 
 そのときになって初めて排出削減を実行すると、
 これまでの歴史を振返るならば、
 ソビエト連邦崩壊のような、経済を崩壊させてしまうほどの
 大規模な削減でなければならないことになる。
 
 「経済の崩壊を選ぶか、気候変動による大災害を選ぶか」
 二者択一という状況は回避しなくてはならない。
 
 そのような状況になれば、おそらく二つはほぼ同時に起こるだろう。
 今すぐ対策を取るならば、そのような事態を回避するチャンスはある。
 
 アメリカの参加が早急に実現されなくてはならない。
 このままアメリカがこれまでと変らない道を進めば、
 2025年にはその他の工業国が最大限努力しても事態の改善は不可能になる。





キリマンジャロの雪が消える


今、地球温暖化により、世界中で氷河が姿を消しつつあります。
アフリカでもっとも高い山、タンザニアにあるキリマンジャロ山では
気候変動の影響をはっきりと見て取ることができます。

キリマンジャロ山は、赤道付近にありながら氷雪の見られる
世界でも数少ない地点の一つですが、
気候変動により2015年までにこの山にある氷が
すべて消失してしまうおそれがあるのです。

2001年2月、オハイオ州立大学の地質学者ロニー・トンプソン教授は、
キリマンジャロ山頂にある氷原の少なくとも三分の一が、
この10年余りの間に消失あるいは溶解してしまったと発表しました。
 
この報告は、同大学のバード極地研究センターの
20年にわたる調査に基づいています。
 
報告ではまた、この氷原の観測の始まった
1912年からみるとその80%がすでに失われているとしています。




   極北の異変


極北地域では、気候の温暖化が地球の平均の3倍の速さで進んでおり、
その結果、極北の海の氷が溶け出しています。
 
過去40年の間、氷の厚さは40%以上減り、
毎年オランダの国土(4万km2/九州とほぼ同じ)よりも
広い面積の氷が失われています。
 
これは極北に暮らす民族と野生生物に深刻な影響を与えています。

氷が薄くなることで狩猟がより危険なものになり、また凍結の時期が遅く、
割れる時期の早まることによって狩猟や漁業の季節が短くなっています。
 
降雪や降雨の変化は、鳥や獣の食べる植物の成長に影響を与え、
ツンドラの植生の量や質にも変化が現れることが予想されます。
 
これらはツンドラに生きる先住民族の食糧源が失われる
重要な原因となるおそれがあります。

アラスカの北西部の沿岸地方。
この地で、人々は4000年以上も生活を続けてきました。
 
今日では地域の学校も整備され、除雪車やコンピューターなど
工業化社会の技術の利用こそありますが、
収穫や自然の恵みを共有する文化的な伝統が
いまでもここに暮らす民族の中心であることは変わりません。

この地方の多くの地域社会には道路がなく、
人々は雪や氷の表面を道として移動しています。
 
海表面の氷や地表を覆う雪が減少していくことは、
こうした地域社会が孤立することにつながります。


極北の野生生物にも同様の脅威が迫っています。
北極グマは、海の氷結する季節が短くなっていることにより、
狩猟の時期が短くなり、飢餓に直面しています。
 
また気温の上昇と気圧の低下により降った雪が
掘り起こせないほどの硬さになって地面を覆うため、
カリブーが雪を掘って草を食むことが次第に困難になってきています。

その地の人と自然の営みの存続には、
その地で食糧を確保するということ以上の価値があるのです。
 
狩猟や採取により生活の糧を得ることと、
そうした営みを支える精神的な基盤を分かち合うことが
家族や世代そして地域社会を互いに一つに結びつけています。

気候変動の影響は、ツンドラと海というその地の自然に深く根差した人々に、
これまでにない脅威をもたらしているのです。




   太平洋―危機の島々


かつて"比類なく美しい真珠""地上の楽園"とも称された太平洋の島嶼国は、
地球温暖化による存亡の危機に瀕しています。
 
気候の変化と海水面の上昇により、水供給、食物の生産、漁業
そして小さな島嶼国の海岸線に影響を及ぼしています。

キリバスではすでに2つの小島が失われ、
1998年にはミクロネシア、フィジー、マーシャル諸島、
パプアニューギニア、サモア、トンガが厳しい旱魃の被害に見舞われました。
 
 
フィジーはさとうきびの輸出高の三分の二を失い、
トンガのかぼちゃの収穫は半減しました。
 
ミクロネシアの40の環礁では真水が得られなくなっています。

海水面の上昇により塩水が地下へ浸透してくることによって、
何千年も存続してきた生活の基盤が脅かされています。
 
根菜類は島民の主食ですが、
それが今、塩水から保護するため腐葉土を入れた灯油缶で栽培されています。

継続的な地球温暖化によって最も被害を受けるものの一つが、
多くのサンゴ礁が失われることです。
 
さんごは温度に対して非常に感受性が高く、
水温18度から30度までの間でしか生息できません。
 
海水温の上昇がたった一度であっても、白化が起り、
それが大量死につながることが場合も多いのです。
 
サンゴ礁は一旦壊れ始めると、
下の姿に回復する兆しが見られるまでに何世代も掛ることがあります。
しかもそれは、そもそもの被害の原因がとり除かれた場合の話です。




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